フッ素には3つの効果がある

こんにちは。青梅市新町の歯医者、武尾歯科です。

「フッ素入り歯磨き粉を使っています」という方は多いと思いますが、フッ素がどんな効果をもたらしているかをご存じでしょうか。フッ素は虫歯予防の代名詞ともいえる成分ですが、その働きは「歯を強くする」だけではありません。ここではフッ素の3つの効果と、正しい使い方について分かりやすくお伝えします。

目次

そもそもフッ素って何?

歯 フッ素でコーティング

フッ素とフッ化物の違い

フッ素という言葉はよく聞きますが、正確には歯科で使われているのはフッ化物です。フッ素とは元素記号Fで表される元素そのものを指し、単体では非常に反応性が高く、自然界にそのままの形で存在することはほとんどありません。私たちが日常的に目にする歯磨き粉や洗口液に含まれているのは、フッ素が他の物質と結合した「フッ化ナトリウム」や「モノフルオロリン酸ナトリウム」などのフッ化物です。

歯科で使われるフッ素の種類

フッ素が配合されている歯科製品には、大きく分けて自宅用と歯科医院用の2種類があります。自宅で使うものとしては、フッ素入り歯磨き粉、ジェル、洗口液などがあります。歯科医院では、より高濃度のフッ素を歯面に直接塗布するフッ素塗布が行われます。それぞれ濃度や使い方が異なりますが、どちらも虫歯予防に有効であり、組み合わせて使うことでより高い効果があります。

子どもだけじゃない、大人にも必要な理由

フッ素は子どもの虫歯予防のイメージが強いですが、大人にとっても欠かせないものです。大人が特に気をつけたいのが根面う蝕です。加齢や歯周病によって歯肉が下がると、歯の根の部分が露出します。この部分はエナメル質よりも柔らかく、酸に溶けやすいため虫歯になりやすい特徴があります。フッ素はこの根面部分の保護にも効果を発揮するため、大人になってからも継続して使うことが大切です。

フッ素の3つの効果

強い歯を表現する歯のキャラクター

効果① 歯の表面を強くする

食事をすると、口の中は酸性に傾き、歯の表面のミネラル成分が少しずつ溶け出します。これを脱灰といいます。しかし唾液の働きによって、溶けたミネラルは時間をかけて歯に戻っていきます。これが再石灰化です。フッ素はこの再石灰化を促進する働きがあります。

溶けかけた歯の表面にフッ素が作用すると、ミネラルが歯に戻りやすくなり、初期の虫歯であれば自然に修復される可能性もあります。毎食後に歯磨きをしてフッ素を補給する習慣は、この再石灰化サイクルをしっかり機能させるために効果的です。

効果② 虫歯菌の働きを抑える

虫歯の原因菌であるミュータンス菌は、食事中の糖分を栄養にして酸を産生し、歯を溶かしていきます。フッ素にはこの虫歯菌の酵素の働きを阻害し、酸の産生を抑える効果があります。つまりフッ素は、歯そのものを強くするだけでなく、虫歯菌の活動を弱める働きも持っているのです。虫歯になりやすい環境そのものを改善できる点が、フッ素の大きな特徴といえます。

効果③ 溶けにくい歯をつくる

歯の表面はハイドロキシアパタイトという結晶構造でできています。フッ素がこの結晶に取り込まれると「フルオロアパタイト」というより安定した構造に変化します。フルオロアパタイトは酸に対する抵抗力が高く、通常のハイドロキシアパタイトよりも溶けにくい性質を持っています。この変化は特に、歯が生え始めてから完全に成熟するまでの期間に大きな効果をもたらします。子どものうちからフッ素を継続的に使うことで、もともと酸に強い丈夫な歯を育てることができるのです。

フッ素を正しく使うために

年齢別 フッ素濃度の目安

フッ素入り歯磨き粉には製品によって濃度が異なります。日本では現在、最大1,500ppmの製品が市販されており、年齢によって適切な濃度の目安が定められています。6歳未満の子どもには500〜1,000ppm程度、6歳以上の子どもから大人には1,000〜1,500ppmが推奨されています。子どもが誤って飲み込む量を考慮し、6歳未満は使う量も米粒大程度に抑えることが大切です。製品の表示をよく確認して、年齢に合ったものを選ぶようにしましょう。

自宅でできるフッ素ケア

フッ素の効果を最大限に引き出すには、歯磨き後のうがいを少量にとどめることがポイントです。たっぷりの水でしっかりうがいをしてしまうと、せっかくのフッ素が流れてしまいます。「少量の水で1回〜2回だけすすぐ」ことを意識しましょう。

歯科医院でのフッ素塗布との組み合わせが効果的

歯科医院で行うフッ素塗布は、市販の歯磨き粉よりも高濃度のフッ素を歯面に直接作用させるものです。特に子どもの場合、永久歯が生えてくる時期に合わせて定期的にフッ素塗布を受けることで、歯の成熟をサポートできます。自宅でのフッ素ケアと歯科医院でのフッ素塗布を組み合わせることが、虫歯予防において最も効果的な方法です。定期検診のタイミングで塗布を受ける習慣をつけると、虫歯のリスクを大幅に下げることができます。

【まとめ】

フッ素には「再石灰化を促進して歯を修復する」「虫歯菌の酸産生を抑える」「溶けにくい歯の構造をつくる」という3つの効果があります。子どものころから行い、大人になっても、継続して使い続けることが虫歯予防につながります。武尾歯科では、お子さまから大人の方まで、年齢やお口の状態に合わせたフッ素ケアのアドバイスを行っています。「どの製品を選べばいいかわからない」「フッ素塗布を受けてみたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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【監修・執筆者】

武尾 真(たけお しん)武尾歯科 院長・歯科医師

1999年、日本大学松戸歯学部卒業。横浜・東京で研鑽を積み、2008年7月に東京都青梅市にて武尾歯科を開院。開院から17年以上、地域のかかりつけ歯科として青梅市・河辺エリアの患者様を診療し続けています。

一般歯科・小児歯科・歯科口腔外科・予防歯科を幅広く担当。日本歯内療法学会会員・ITIメンバーとして、根管治療やインプラントの分野でも継続的に学びを深めています。

当ブログでは、青梅市・奥多摩エリアにお住まいの方々に向けて、歯の健康に役立つ情報を院長自ら監修してお届けしています。

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